レザースニーカーのお話

コンテンポラリー「contemporary―現代であるさま・同時代の」。

ファッション用語に使われているこの言葉は、決して新しくありませんが、

今スニーカーはコンテンポラリーなのです。

60歳を過ぎたシューケアおじさんである筆者には、「ファッション」と聞いただけで
どこかへ逃げ出したくなり、出来る事なら触れずに済ませたいのはやまやまです。
しかし「レザースニーカーのお手入れ」となれば、避けて通るわけにもいきませんので、
受け売りで恐縮ですがお話しします。

今までスニーカーといえば、ランニングやサッカー、テニス、バスケットなど、
あの白いスポーツタイプのものが一般的でした。
大手ブランドメーカーは、限定販売などを含めて大量に製造し販売してきましたが、
やがて、消費者に飽きられてしまい、不良在庫を抱え込んでしまいました。
そこで、この「スポーツ」という枠組みの中から飛び出して、
何もとらわれず全く新しい自由な発想でカジュアルなスニーカーを作ろうという
デザイナーたちが現れました。
それぞれの好みで、デザイン、カラー、素材を駆使して、新しいスニーカーを創り出しています。
それはスケートやスケボー、マウンテンバイクなどの流れであったり、
サンダルやミュールのようなスニーカーであったりします。

そういえばデパートの紳士靴売場を覗いて見たら、
「カジュアルジャケットにも合います」
というコメントが添えられて、ヨーロッパの有名革靴メーカーのレザースニーカーが並んでいました。
それはある意味で革靴でもなく、スニーカーでもない“中間”なのです。
まあ、こんな過去にはなかったバラバラ感が現在では主流になり、
このカテゴリーを「コンテンポラリー」と呼んでいるようです。

さて、今回スニーカーのお手入れについてのお話ですが、「スニーカー」の定義とは何でしょうか?

過去スポーツタイプのレザースニーカーと言えば“白”でした。
汚くなった白をどう美しく見せるか。そこで白革専用の液体クリームを中心とした、
スニーカーケア商品がたくさん出回りました。けれども、あまり売れなかったようです。
特に白い顔料入り着色クリームは異常な白さで、履き込んだ靴の白さとは全く違います。
使用された方はお分かりと思いますが白はムラになり、
また、はみ出した部分は落ちにくく黄ばんだゴム底との落差。
まるで下手な厚化粧と同じで恥ずかしくて、履けたものではありません。
健康で、活動的なスニーカーは「サドルソープ」で洗うか、
「ステインリムーバー」のような水性のクリーナーで汚れを落とし、
無色のクリームや「ミンクオイル」であっさり仕上げればわかります。
やっぱり素顔が似合う靴なのです。

そして、いつも美しくしておきたい最近のレザースニーカーといえば、
“ジャケットにも合います。”という黒や茶色のものです。
カジュアルですから、特別光らせる必要はありません。
アッパーの白いミシン糸を引き立たせるには、クリームはもちろん無色です。
デリーケートクリームや「FAMACO シルキーレザークリーム」のような
さっぱり系クリームが持ち味を引き出します。
もちろん、「ステインリムーバー」は併用を。

いやはや、シューケアおじさんにとって、コンテンポラリーは
レザーであってくれることを祈るのみであります。

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