アンクルブーツ用キーパーのお話

アンクルブーツ用キーパーのお話  

秋も深まり、寒さが徐々に増してくると同時に、ファッションも春夏とは違った意味で楽しみが増えてきます。
ツイードやカシミヤ、フランネル、コーデュロイ等々・・。
足元の素材はやはりスエードですが、スタイルはなんといってもブーツでコーディネートですね。

このように、近年では秋に入るとアンクルブーツをはじめとしたブーツを履く方がグッと増えてきます。
特に最近は秋冬のトレンドで、ブーツがより定番化してきましたので、それに伴いアンクルブーツ用のシュートリー(シューキーパー)のご要望も増えてきました。
そこで今回はアンクルブーツ用キーパーについてお話いたします。1

まずアンクルブーツについてですが、直訳すると“くるぶし”または“足首”のブーツということで、文字通りのイメージです。
その他、同類のブーツにはチャッカブーツやデザートブーツ、女性用ではブーティなどとも呼ばれているものがあります。

ちなみにチャッカブーツのチャッカ(Chukka)とは、イギリス等で人気のある伝統スポーツの「ポロ」、その競技時間の単位であるチャッカからきていて、ポロの競技で履かれていたブーツのイメージから、くるぶし丈のブーツがチャッカブーツと呼ばれるようになったと言われています。

また、デザートブーツは広い意味でアンクルブーツの仲間ですが、どちらかと言えばカジュアルなイメージで、ライニングが無いアッパーに、靴底がクレープソールのブーツのことを指します。
いずれもくるぶし丈のブーツなのですが、人気の上昇とともに、「アンクルブーツには、どのシュートリーがおすすめですか?」という質問が多くなってきました。

実はR&Dでは1989年頃から、バネ式のアンクルブーツ専用シュートリーを販売していました。
バネ式でシェイプがアンクルブーツと同じような形状のものです。
ただ実際にはシュートリーを靴に装着する時に入れにくく、筒の部分も筒全体を張ることができず、どちらかと言えばディスプレー的なイメージの商品でした。

そんな印象からか、アンクルブーツ用のシューキーパーを取り扱いしていた身でありながら、なんとなく販売に自信が持てず、しっくりきていませんでした。
その為、実際の販売時は、アンクルブーツに入れやすいネジ式のシュートリーを販売して「筒の部分はありませんが、こちらで最低限の役目は果たします・・・。」というような感じの接客が多かった記憶があります。

また、当時は新開発商品としてブーツの割り木型をヒントにアンクルブーツ用の割り型を専用シュートリーとして使えないかと思い、サンプル作成を試してみましたが、ブーツにセットしやすいという点は良かったものの、履き込んで革が少し伸びてきた際に、バネやネジの調整ができない点と張りがでないために、どうしても緩みがでてきてしまい、最終的に頓挫してしまった苦い経験もあります。
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そんな長年の試行錯誤から、最近になって商品化されデビューしたのが、「サルトレカミエ・アンクルパーツ」です。

短靴用のネジ式サルトレカミエSR300EXシリーズと合わせて使用するとアンクルブーツ用シューキーパーになる商品です。
使い方はいたって簡単で、まずアンクルブーツにネジ式のサルトレカミエSR300EXをセットして、甲の部分をしっかりと伸ばします。
そして、アンクルパーツを筒部分にセットして筒部分のシェイプを整えるという商品です。従来のような筒部分を飾るだけのシュートリーではなく、ブーツに装着しやすく、甲部分、筒周りもしっかりと張りを持たせることができる実用的なシュートリーのパーツです。

もちろんアンクルブーツに使用していないときは、シュートリーは通常の革靴に使用できますのでとても合理的です。
R&Dが長い年月を費やして開発したアンクルブーツパーツ。ブーツが好きな方は、是非一度お試しいただければ、必ずや気に入って頂けると自負しております。
そして、さらなる改善を目指して貴重なご意見を頂ければ幸いです。

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