ホワイトレザー(白革)のお話

夏の訪れとともにファッションもあざやかなライトカラーが中心になって行きます。
その中でもとりわけ夏の主役の色といえば、やはり「ホワイト」です。
新しい純白のシャツやパンツそしてシューズはまぶしいほどに夏の青空と
コントラストされてさわやかさを演出します。

しかし、そんな透き通るようなホワイトカラーも現実的な話をすれば、
汚れ、シミ、黄ばみなど、色のさわやかさとは対照的に悩み多き色でもあります。
そして、現在人気のホワイトレザーもスムースレザーや起毛皮革など、素材や
仕上げは様々です。
特に、流行の白い起毛皮革は「ホワイトバックス」と呼ばれ注目の的になって
います。
ちなみにホワイトバックスの本来の正式名称は「ホワイト・バックスキン・
シューズ(White Buck Skin Shoes)」で白い鹿革をバフしてチョークで仕上げ
をしていたものを指していました。
ホワイトヌバックの略語ではありませんので、白いヌバックを限定して呼んで
いる人もいるようですが、定義的にいえば白いスエードもホワイトバックス
ということになります。  
そんな人気のホワイトレザーについて今回はお話をしましょう。

シューケア情報:ホワイトレザー(白革)の」お話まず白という色の特性を考えてみたいと思います。
白色はシャツやパンツなどのウェア関係の繊維として
多く使用されています。
綿、麻、ウール、シルク、またポリエステルなど様々な
種類の繊維も本来の色は、いわゆる白ではなく黄色味を
帯びています。
これらの素材をまぶしいほどの白にするために、白色に
染めるのですが、この時に最も多く使用されているのが「蛍光増白剤」
とよばれる白い染料の一種です。
簡単にいえば、蛍光増白剤を繊維に加えると繊維自体に青色の光を与えるような
効果がでます。
元々黄色味を帯びたものに使用すれば青い光が加わり(蛍光する)まぶしいほど
の白に見えるというわけです。

したがって「蛍光増白剤」は染料の一種ではありますが、純白の色をした
“白い染料”という訳ではありません。
つまり白い染料は現実には存在しないということになります。
このように白色に見えるものも本来、少し黄ばんでいますので、使用年数と
ともに少しずつ黄ばみが戻ってきます。
靴もしかりで最初はきれいなホワイトカラーも年数とともに黄ばみが目立ち
はじめます。

また、靴の場合は汚れが付きやすい足元の製品であるという特性上、黒ずみや
キズなども入ってきますので、ウェアやシャツ以上にお手入れが厄介なものに
感じられるでしょう。
では、ホワイトバックスのお手入れはどのようにすれば良いのでしょうか?
基本的なお手入れは、他の色のスエードやヌバックと同じ方法でOKです。
特にホコリが付いただけでもきたなく見えますので、「ワイヤーブラシ」で
まめにブラッシングをして下さい。
さらにブラッシングで落ちないがんこな汚れは、「M.モゥブレィ ガムスペシャル」のような
消しゴムタイプの汚れ落としでその都度落とします。
最後に保革の意味で「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」をスプレー
して皮革のしなやかさを保ちます。

しかし一番問題となるのが補色です。
先ほどもご説明した通り純白の染料(染色)はありません。
白は基本的に顔料系(着色)のクリームやローションだけしかありませんので、
必然的にスエード、ヌバック用の白い補色剤は存在しません。
毛の状態のものに顔料系ペイントを塗ってしまうと、毛の風合いが無くなり
駄目になってしまいます。
そこで本当の意味でのケア(お手入れ)ではありませんが、ホワイトバックスの
黄ばみがひどく「もはや我慢の限界!」という状態ならば、黒板に使用する
白いチョーク(白墨)で靴全体に粉をまぶすような感覚でこすってください。
ある程度の白さがよみがえります。
ただ、これは粉をまぶしているだけですので、ごまかし程度ということで
本質的な染色や着色とは違います。
残念ながら現状で白い起毛皮革を純白によみがえらせる方法はありません。
「黄ばんでくるのもホワイトバックスの醍醐味!?」と頭を切り替えるのが
ベターではないかと思います。

また、表革(スムースレザー)は起毛皮革とは違い白いクリーム(顔料・
着色系)があります。表面も顔料塗装されていますので丈夫です。
汚れは「ステインリムーバー」でしっかりと落とし、「白い乳化性クリーム」
(参考:下記参照)をまんべんなく塗れば、色も着色してきれいな白色が蘇ります。
汚れが落ちにくいと思っている方も多いようですが「ステインリムーバー」を
使用すれば、割りと簡単に落ちますのでお試し下さい。
今回は白という色の特性上、染料や顔料など若干わかりにくい話だったと
思います。もしわかりにくかった方は、頭の中を一度「真っ白」にしてから
再度お読み下さい。

(参考)
乳化性クリームのホワイトは必ず着色する顔料系のものとなります。
他のカラーの乳化性クリームは着色性ではありませんので、 同じ乳化性クリーム
であっても全く性質が異なります。 

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