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雨上がりのある日、中年の男性がやって来ました。
「こんなになってしまったんですよ。」と自分の足元を指差した。
見ると“ウァーッ、汚い!” ツヤのない靴は白い粉のシミがひろがり、
見た瞬間わが目も汚れてしまった感じがするほど不潔きわまりない靴でした。
でもこれからが自称シューケアおじさんの出番であります。

余裕と自信にあふれた細い目がニヤリと微笑みながら 
「そうですか・・・それは良かったですねェ」 「エエッ・・・???」
「だって、こんな汚いものが雨の日に履いたおかげで出てくれたんですよ!
出た分だけあなたの靴は清潔になっているはずです」 
「ウ〜ン・・・なるほどそういうことですかね」半信半疑の様子は、
《現に汚れている表面はどうすればいいのか・・・?》と思っているのでしょう。
「白い粉は、靴にたまっている汗の成分の一つで塩分なんですよ。
雨に濡れて出てきたのですから、自分できれいな水で濡らせばもっともっと
出てきます。
こんなときは、栄養補給を備えたサドルソープという皮革用石けんで洗って
ください。革もしなやかになり痛みません。軽く拭き取れば全てがきれいに
なりますよ。」
おしんこの塩抜きと一緒で靴を濡らすことのメリットを説明すればおおかたの人
は納得してくれます。

シューケア情報:サドルソープのお話さて、実はこのサドルソープという一品は“シューケア
おじさん”にとっては、かつてその後の運命を左右させる
ほど(ちょっとオーバー!?)の影響があった商品
なのです。
それはもうふた昔も前のことですが、そのころグラブ
レザー(タンニンなめし)のカジュアルシューズが
流行していました。
小生も1足買い求め履いてみましたが、手入れ方法が
わかりません。
そこでさっそく靴クリームのメーカーさんに尋ねてみましたところ、
「クリーナーはシミになりますので使用できません。汚さないように
防水スプレーをして履いてください。」との返事でした。
つまり「ビフォアケア」だというのです。
これは大変な靴を買ってしまったものだ、守ることしかできないなんて・・・。

しかし、守るだけというのは守りきれればいいのですが、そう簡単ではありません。
黄色のわがカジュアルシューズは、白く毛羽立ち荒れ放題、
しかし「座して死を待つ」のはつらい・・・。
色々な思いをめぐらしているうちに、ふと英国から届いていた靴クリーム類の
サンプルを思い出して、取り出したのが運命の「プロパーツ・サドルソープ」
だったのです。
辞書を片手に、おそるおそる靴に水をつけてみると、水はあっという間に黒く
しみ込んで行きました。
思い切って、一気に濡らしサドルソープで洗ってみました。
陰干しで乾いた靴を見て、びっくり仰天!! 
なんとあのカサカサしていて白茶けた表面が、黄色くしっとりと蘇っているでは
ありませんか。
凄い!外国ではこんなことをしていたのです。しかも100年以上も前から・・・。
この衝撃的な感動を与えてくれた「サドルソープ」との出会いこそがおじさんを
靴のお手入れに夢中にさせ、「シューケア病」という不治の病にとりつかせて
しまった病原菌だったのです。

以来、“靴は濡らした方が良い”ということに気付き、事あるごとにそれを
実践し、また口癖にもなってしまいました。
これからもサドルソープという病原菌を目いっぱいバラまいて皆さんに
「シューケア病」を蔓延させることがおじさんに課せられた使命だと思っています。


【サドルソープ】

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