靴ひもの結び方のお話

紗乃織靴紐「靴紐(ひも)が緩みやすいのですが、何かおススメの方法はありますか?」

「ほどけにくいシューレースはありますか?」

実際に店頭で、しばしばお客様からお問い合わせを頂くご質問です。
そこで今回は、ほどけにくい靴紐の種類と結び方を紹介いたします。
靴ひもをほどけにくくしたい場合、方法は二通りです。

一つは、ほどけにくい靴ひもに交換する方法です。
ほどけにくい靴ひもの代表的なものは「ガスひも」です。
これは綿を熱でしめたもので、結んだ時にしっかりと噛み合って
固く結ぶことができます。

しかし、表面のコーティングが無いため、やや耐久性に難があります。
それに対して、ロー引きと呼ばれる種類の紐は、一般的にビジネスシューズに
よく使われています。耐久性はガス紐よりも一枚上手ですが、
ロウが掛かっているが為に、結んだ時に滑りやすいので、
少々ほどけやすいのが難点です。

ちなみに、ロー引き紐でも、R&Dのオリジナルシューレースである
「紗乃織(さのはた)靴紐」の蝋掛編紐(ろうがけあみひも)は、
ブレンドした複数のロウを特別な仕上げで馴染ませてあるので、
しっとりと仕上がっていて、結んだ時に固く締めることがきます。
靴愛好家の方々からは“ほどけない紐”として人気を博しています。

そして、もう一つの方法は、一般的な蝶結びではなく、ほどけにくい結び方で
結束させる方法です。
いくつか方法がありますが、おススメの方法を二つご紹介いたします。
まずは、「Ian Knot(イアン結び)」と呼ばれている、
簡単かつスピーディに結ぶ方法です。
これは、オーストラリア人のIan Fieggen氏が「Ian’s Shoelace Site」
という靴ひも専門のWEBサイトで紹介していることから、
このように呼ばれるようになりました。
素早く、しっかり結べることから、スポーツ愛好家の方々にも支持されています。

結び方は、まず蝶結びと同じ要領で一度巻いて締めます。
次に左右それぞれ輪を作ります。左の紐は上に重ね、右の紐は下に重ねて下さい。
そして右の紐と左の紐を重ねます。
最後に、持っている左右の輪っかを持ち替えて引っ張れば完成です。

二つ目の方法は、フランスの高級靴ブランド Berluti(ベルルッティ)の
ショップで紹介していることから「ベルルッティ結び」と称される、
ドレスシューズなどにおススメの結び方です。
簡単に言えば、通常の蝶結びをした状態で、さらにもう一度輪にくぐらせる方法で、
結び目が重厚に見える上に、ほどけにくいのが特長です。

こちらの結び方は、まず蝶結びと同じように紐を一度結びますが、
さらにもう一度くぐらせて二重にします。
次に、普通に蝶結びをしながら、固く結ぶ前に右手で持った輪を、
さらにもう一度くぐらせて引っ張り固定します。
かなりほどけにくい結びになっていますが、紐をほどく時は、
左右の紐の先端を均等に引っ張ると、簡単にほどくことができます。
両者とも、固く結ぶことができる上に、一般的な蝶結びよりも
バランスが良く美しく見える方法です。

靴にとって靴ひもは、履き心地を向上させるために、
なくてはならない存在のひとつです。

靴ひもを普通のやり方とは少し違った方法で結ぶ。

さりげないおしゃれと機能性を向上させる粋な演出です。
是非一度お試しください。

【紗乃織靴紐】
【イアン結び】
【ベルルッティ結び】

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