雨の日に履く靴のお話

地球温暖化の影響や秋の長雨からか、
全国各地で集中豪雨による被害のニュースを見ることが多くなりました。

政府が発表した「異常気象レポート」も、
大雨は「長期的に増加傾向がみられる」と警告しています。

そんな大雨の影響かもしれませんが、
当社にも靴の防水についてのご質問が、
梅雨や秋雨の時期に年々増加傾向にあります。

そこで、今回は「雨の日に履く靴」=「雨に強い靴」のお話をしたいと思います。

雨の日に履く靴で一番イメージが湧くのは「ゴム長靴」だと思います。
子供のころは誰もが履いたゴム長靴は、素材がゴムですのでいわば完全防水です。
しかしこれは一般の通勤や通学向けではありません。

では通勤、通学靴で雨の日におススメの靴はどんなものになるのでしょうか?

結論から言いますと、雨の日に履くR&D的おススメ靴は
アッパー(靴本体上部)の素材がスエードやヌバック素材で、
靴底がラバーソール”の靴やブーツです。

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お客様にこの話をすると、ほとんどの方が
「スエードって雨の時に履けるのですか!?」
「スエードって濡れやすいのでは・・・??」
と驚かれます。

またR&Dシューケアプロモーション(実演会)で消費者の皆様とお話していると、
「スムースレザーはお手入れするけれど、起毛皮革はお手入れしたことが無い・・・。」
「お手入れはできないと思っていた・・・。」
と言われる方が数多く存在します。

このように日本ではスエード、ヌバック素材は雨に弱く、
お手入れできないイメージが定着していて、靴販売の接客時にそのように言われるケースもかなりあります。

そんな日本に定着した起毛皮革への常識、
イメージをひっくり返す様なことをなぜR&Dが公言しているのか・・・。
そのバックグランドと理由をご説明いたします。
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スエード、ヌバック素材が雨に強いという最大の秘密は「毛」にあります。革本体の上部に毛が密集していて、雨の進入を一本一本の毛が守るからなのです。

人間に例えれば、毛髪があれば雨の中で傘をささずに歩いても、ある一定時間は頭皮までなかなか雨は到達しません。

スキンヘッド(=スムースレザー!?)であれば、防御する“毛”そのものがないので、雨が直接頭皮にあたり、すぐにびしょ濡れになってしまいます。

ケアしてあるスエードは、油分と潤いが皮革にたっぷり入り込んでいる上に、毛の部分はフッ素加工で水に対して強くなっているので、強力な撥水力をうみだします。

但し、スエードが雨に強いという理由には、ケアに使用する
「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」というスエード、
ヌバックに栄養をしっかりと与えながら、
毛に防水力をつけるスプレーの存在は欠かすことができません。
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この素晴らしい専用商品があるからこそ、雨の日も快適に歩くことができるようになったのです。

このように、普通に考えれば単純な理屈も、インプットされた常識が邪魔をしていることで、私たちも最初は、起毛皮革が雨に弱いという考え方に対して、疑う余地すらありませんでした。

しかし、R&Dではスエード素材を含め、数多くの靴をお手入れしてきた経験やその探究心から、その常識の誤りに気づいたのです。

そしていつの日からか、スエード、ヌバック素材&ラバーソール靴が、R&Dが情報発信した“雨靴の定番”となったのです。

日本の雨靴の常識をひっくり返したこの事実は、実際に雨中での歩行を体感する
ことで驚き、喜び、楽しさを感じとることができるはずです。

「百聞は一見にしかず。」半信半疑の方は騙されたと思って一度お試し下さい。
雨の日の外出が楽しくなること請け合いです!

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