革と水の関係のお話 

革と水の関係のお話

今回は“革と水の関係”についてお話ししたいと思います。

当社は創業以来、「革靴には水が必要だ!」と言い続けてきました。

サドルソープはその典型的な商品で、当時は「革靴の水洗いなんてとんでもない!」と言われていた時代でした。

当然、日本ではその必要性を誰も感じていないどころか否定的な意見ばかりでした。そのような状況でも、R&Dはひたすら靴の水洗いの良さ、水性クリーナー(M.モゥブレィ ステインリムーバー)での汚れ落しの重要性を説いてきましたが、常識とかけ離れていたこともあり、批判や中傷などもありました。しかし、自分たちで実際に何度も革靴を洗って、その必要性を確信していたので、今日まで一切ブレることはありませんでした。月日が流れ、靴の水洗いが、クリーニング店や靴修理店などでも行われるようになったのを見ると、以前に比べれば、かなり浸透してきた実感があります。本当の意味で一般的になったとは言えないまでも、私達が訴え続けてきたことが認められたようで、1感慨深いです。
先般、弊社のOBであり、元祖R&Dシューケアマイスター安富好雄さんと“革靴の水洗いセミナー”を開催しました。安富さんと久しぶりに靴のお手入れや革に関することについて語り合い、あらためてR&Dの原点を見つめなおすことができました。その時のセミナーで感じたことがあります。一般消費者の皆様にとっては、革を水で濡らすことへの抵抗がまだまだあるということです。これを完全に払拭するのは、本当に難しいことだと再認識すると同時に、もっと啓蒙的な活動が必要だとも実感しました。
また、こんなご質問も頂きました。「新品の靴は洗っても大丈夫ですか?」

もちろん私達は革靴をすべてのシーンで洗ってくださいと言っているわけではありません。

「新品の革靴は洗う必要は全くありませんよ。革靴を洗うケースは、あくまで ①長期間、履き込んだ時 ②型崩れがひどい時 ③雨等でシミができた時など、ほぼ3つのケースに限りますので・・。」

そんなやりとりをしながら、革靴のクリーニングをトライしてみようと思って頂くには、石鹸の成分がどうこうとか、理論的な話しよりも、シンプルな説明が伝わりやすいということにも気づき、こんな例え話をしてみました。『天然皮革は繊維質なのでTシャツと一緒だと思ってください。汗まみれになったTシャツは必ず洗うのに、なぜ革靴は洗わないのでしょうか?そう考えると、とても不潔な感じがします。』単純に、普段はいている靴が清潔か不潔かということの方が、お客様にもその必要性が伝わりやすいようです。

2私達R&Dはシューケアや靴磨きの技術の研鑽をし続けて、最高の靴のお手入れを披露してきたつもりです。手前味噌ですが、実際にR&Dシューケアマイスターの靴磨きは、ただ光らせるだけではなく、皮革の状態を見極めてケアするという、高いレベルでサービスを提供しているという自負もあります。しかし、プロと素人の方の技術や知識の差は別にして、シューケアや靴磨きは特別なスキルを持ったプロしかできないというものではありません。靴は誰もが履くものですので、人々が日常生活で手を洗う、顔を洗う、歯をみがく、スキンケアをするのと同じように、靴を手入れする、みがくというアクションが、生活習慣の一つとなるべきだと考えています。そして、この慣習や文化を創りだすことが、私たちの企業理念なのです。誰もが革靴が汚れ、長期間洗っていなければ、水洗いする。そんな世の中になれば、今よりも革靴への興味や愛着を持つ人が増え、時には酒場でお酒を酌み交わしながら、靴や靴みがき談議で盛り上がるなんてことが、多くみられる様になれば楽しいなとも思います。R&Dシューケアマイスターは、そんな靴文化が根付くことを夢見て、コツコツと丁寧に伝え続けていきます。最後は安富さんがR&Dに在籍していた時から使っているこのキャッチフレーズで締めさせて頂きます。 「レッツ!シューケア!!」 皆さん、これからも私たちと一緒に靴のお手入れを楽しんでいきましょう!!

今回ご紹介した商品
【M.モゥブレィ サドルソープ】

R&D運営ネットショップ:リソーシーズシューケアギャラリー

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