シープレザーインソールのお話

皆様にとってインソール(中敷)のイメージはどのようなものでしょうか?
おそらく
 「サイズ調整に使うもの・・・。」
 「靴のムレを解消するもの・・・。」
が二大イメージだと思います。
靴のムレを解消するということから、素材については、天然皮革、化繊
(化学繊維)、布(コットン)以外にも今では多種多様に広がっています。
今回はインソール素材にスポットを当て、その中でも“最高、最良の素材”
といっても過言ではない「シープレザー(羊革)インソールについて」お話
いたします。

まず、日本での“元祖インソール”といえば、なんと言っても“豚革や牛革の靴
中敷”です。
元来、日本では豚や牛革は他の革素材に比べ生産、流通量が多く抜き型を使用
してカットするだけで簡単に製造できるので、昔はインソールのほとんどが豚革
か牛革でした。

当社でも「プレステージ」という上質なヌメ革を使用した日本の伝統的な
インソールを現在でも販売しています。
もちろん天然皮革なので吸汗性があり、大変良いものですが、厚みがあり皮革の
繊維もしっかりと詰まっているので自分の足になじむまで歩行時間(日数)が
必要です。
耐久性にも優れ長く使用していれば革そのものが自分の足の形に沈み込んで、
フィット感が向上するので、好んで使用する方もいるのですが、万人受けは
しません。

フットケアのR&D:シープレザーインソールのお話そんな豚や牛革の元祖インソールも昭和30年代中頃には、
大手化学繊維メーカーの“化繊のインソール”にその主役を
取って代わられました。
そうです、居酒屋などで人が脱いだ靴の中を見るとよく
入っているあのメッシュの“オジサン的なイメージの中敷”
です(失礼)。

化学繊維を成型して作るので量産が可能な化繊インソールも、発売当初は新しい
素材のため認知度も低く、価格も皮革インソールより高額で苦戦していました
が、各メーカーが景品をつけて靴屋さんに熱心に売込み、徐々にそのシェアを
拡大していきました。
その後アメリカから活性炭入りのインソールが入ってきた頃から、消臭効果など
も付加して、一時は圧倒的な販売数を誇っていた時代もあったほどです。
ただ現状は(個人的見解ですが)“オジサンっぽい中敷”のイメージが定着し、
またディスカウント店の中心商品になっていることで、その地位は低く
なりました・・・。

話がそれましたが、そんな時代背景の中、欧州の天然シープのインソールが日本
で本格的に販売され始めました。
日本での歴史は意外に浅く、昭和50年代に入った頃です。
シープレザーは柔らかく軽量ですので、高級なバッグやコート、財布など様々な
製品に使われていますが、インソール素材としては日本であまり馴染みが
ありませんでした。

しかし、ヨーロッパでは昔から(現在でも)シープ革がインソール素材の中心
です。
理由は明らかに革や靴に対する知識の違い、文化の違いです。
天然シープインソールの特性を販売側も消費者側も理解しているからなのです。
特長を説明しますと、元々ソフトで足なじみの良い天然のシープレザーの裏に
クッションを付けているので、装着した瞬間から足になじんだ感覚が得られ
ます。
柔らかい素材ですが、磨耗に強く耐久性に優れ、一般的な化繊中敷に比べれば、
擦り切れなどの問題はほとんど起こりません。

化繊中敷より価格は高くなりますが、長期間使用できることを考えればコスト
パフォーマンスも抜群です。
吸汗性も良い上に、靴を脱いだ時に汗を放出(発汗)させています。
そしてインソールや靴にとって重要な通気性もあるなど、シープレザーの多くの
優れた点がインソールの機能にマッチしているのです。
もちろん靴を脱いだ時の見た目も自然ですので、冒頭で“最高、最良の素材”
と言った意味がお分かり頂けたかと思います。

ただ、お客様の中には我々が天然シープインソールの良い点をうまくお伝え
しきれていないために「汚れそうで・・。」等という残念な理由で避けている方
も多く、ヨーロッパのように日本では今ひとつ主役になれていません。

それでもR&Dはソフトで高機能な天然シープレザーインソールに惚れ込んで
その素晴らしさを日本の消費者の皆様にお伝えすべく、自社のClub Vintage
Comfortブランドの中心素材としています。

そして、シープレザーインソールの伝道師のごとく普及に努めているのです。
近い将来には日本でも天然シープレザーがインソールの代表的な素材になれば
最高です。
そのためには・・・「打倒!“オジサン的な化繊のインソール”!」(笑)
皆様もどうぞご協力下さい。


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